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CQRSとは

1. CQRSとは?

CQRS(Command Query Responsibility Segregation、コマンド・クエリ責務分離)とは、データの「書き込み」と「読み取り」を別々の仕組みで処理するアーキテクチャ設計の一つです。

通常のシステムでは、データの作成・更新・削除・取得(CRUD)を1つのデータモデルで管理します。しかし、CQRSでは「書き込み(Command)」と「読み取り(Query)」を明確に分離することで、システムのパフォーマンス向上やスケーラビリティの強化を目指します。


2. CQRSの基本概念

CQRSは、以下の2つの側面に分けられます。

Command(コマンド)

  • データの「作成・更新・削除」などの変更を担当。
  • 例:「ユーザー登録」「注文のステータス変更」

Query(クエリ)

  • データの「取得」のみを担当。
  • 例:「ユーザー情報の取得」「注文履歴の表示」

この分離により、読み取りと書き込みの最適化が可能になります。


3. CQRSのメリット

スケーラビリティの向上

  • 読み取り専用のデータベースを増やして負荷を分散できる。
  • 書き込み処理を最適化し、負荷の軽減が可能。

パフォーマンスの最適化

  • 読み取り専用のデータベースをキャッシュ化できる。
  • 書き込み用のデータベースでは整合性を確保しつつ最適化可能。

柔軟なシステム設計

  • 書き込みと読み取りで異なる技術やデータモデルを採用できる。
  • マイクロサービスや分散システムとの相性が良い。

4. CQRSのデメリット

シンプルなシステムには不要

  • 小規模なアプリケーションでは、CQRSを導入すると余計に複雑になりがち。

データの一貫性の考慮が必要

  • 読み取り用データと書き込み用データを分けるため、リアルタイムの同期が必要。

5. CQRSの活用例

📌 ECサイト

  • 「商品の購入(Command)」と「商品の閲覧(Query)」で異なるデータモデルを使用。

📌 マイクロサービス

  • 書き込みと読み取りを分離し、サービスごとにスケールさせる。

📌 データ分析システム

  • 書き込みと別に最適化されたクエリシステムを活用し、レポート生成を高速化。

6. CQRSを導入すべきか?

大量の読み取り・書き込みが発生するシステムスケーラビリティが重要なプロジェクトマイクロサービスやクラウド環境での開発

一方で、小規模なCRUDアプリケーションでは、CQRSを導入すると逆に開発が複雑になるため注意が必要です。


まとめ

CQRSは、「データの書き込み(Command)」と「データの読み取り(Query)」を分離することで、システムのスケーラビリティやパフォーマンスを向上させる設計手法です。

特に、マイクロサービスや高負荷なシステムに適しており、大規模なアプリケーションでの運用に向いています。一方で、小規模なアプリでは導入コストが高いため、慎重に検討する必要があります。

CQRSを活用することで、より効率的で柔軟なシステム構築が可能になります!